様々な製品で黒は人気のカラーです。自動車でも定番の白、黒が人気で、中古車の下取り価格も良い値段が付くそうです。黒の魅力や黒い皮膜のメッキを紹介します。 メッキには、様々な金属特有のカラーがあります。その中でも黒色のカラーの需要は多く、人気のカラーです。黒色メッキ皮膜とは、金属製品の表面に黒色の皮膜を形成する処理のことです。メッキ皮膜で得ることが出来る代表的な4つの黒色皮膜とそれぞれの特長を紹介します。
黒色メッキは、さまざまな製品に利用されています。
- 自動車部品: エンジン部品、ホイールなど
- 電子部品: コネクタ、スイッチなど
- 装飾品: 時計、眼鏡など
- 医療機器: 手術器具など
黒色クロムメッキ
黒クロムメッキ(電気メッキ)は無水クロム酸を化学反応(酸化反応)させて、金属光沢のある綺麗な黒色になります。耐摩耗性や耐熱性が高く装飾性にも優れています。外観に優れていますが、製品が複雑な形状の場合は、ムラや濃淡などが発生する場合がありますので、均一にカバーするには、治具の工夫や経験と技術力が必要です。
六価クロムを含有している薬品を使用しますが、メッキ皮膜となれば六価クロムを検出しないので、RoSH指令には殆ど影響がありません。近年、三価クロムの黒色クロムメッキも出始めていますが、六価の黒クロムメッキと比較すると、黒色が淡く、濃黒色にならないものがほとんどです。
- 耐食性、耐熱性、耐摩耗性に優れています。
- 装飾性が高く、高級感を出したい場合に適しています。
- 六価クロムを使用するため、環境への負荷が懸念される場合があります。
亜鉛メッキ黒クロメート(三価・六価)
亜鉛メッキ 黒クロメート(電気メッキ)は、亜鉛メッキの表面にクロム酸塩を反応させて生成するクロム化成皮膜になります。六価クロムと三価クロムを主成分とする2タイプがあります。光沢のある六価クロムにタイプは、銀の酸化物を皮膜中に含ませて黒色を出します。三価ブラックの情報はこちら
環境負荷が低い三価クロムは、コバルトや硫黄を皮膜中に含ませて黒色を出します。両方とも黒の化成処理皮膜なので、擦れると傷などがつく場合ば多く取り扱いに注意が必要です。
- 耐食性、耐摩耗性が比較的高いです。
- コストパフォーマンスに優れています。
- 色調は黒クロムメッキや黒ニッケルメッキよりも暗めです。
黒ニッケルメッキ(ニッケルと亜鉛合金・錫とニッケル合金)
黒ニッケルメッキ(電気メッキ)は、ニッケルと亜鉛の合金による黒色皮膜のタイプと錫とニッケルの合金皮膜による黒色皮膜のタイプがあります。通常、下地メッキとして光沢ニッケルメッキを加工し、上層に黒ニッケルメッキをします。皮膜が厚くなると衝撃によってはがれやすくなるので、厚メッキには向きません。
黒ニッケルの黒色は、真っ黒ではなく、黒とグレーの間ぐらいのイメージになります。皮膜は硬く、事務用品、カメラ部品や自動車の内装部品の装飾目的や機能的には反射防止や塗装下地として使用されています。酸化、経時変化により黒色が変色しますので、トップコートなどを別途加工する場合があります。
- 耐食性、耐熱性、耐摩耗性が比較的高いです。
- 黒クロムメッキに比べて安価です。
- 色調が黒クロムメッキよりもやや明るめです。
黒色 無電解ニッケルメッキ
黒色 無電解ニッケルメッキ(無電解メッキ)はニッケルとリンの合金による黒色皮膜で、電気的な方法ではなく化学メッキになります。皮膜は、無電解ニッケルメッキの表面を粗化し、酸化あるいは硫化させることで、黒色を生成しています。反射率が低いので光学部品に利用されています。一番の特長は、無電解メッキなので、均一電着性に優れ、寸法精度がよく複雑形状な製品や穴の中もメッキをつけることが可能な点が挙げられます。黒色 無電解ニッケルメッキ加工の詳細ページへ
- 均一な厚みの皮膜が得られます。
- 非導体にもメッキが可能で、複雑な形状の製品にも対応できます。
- 耐食性、耐摩耗性も高いです。