錫メッキの合金化について(鉛フリー)
従来、電気部品のシャーシには、はんだ付け性、つき回りの観点からカドミウムメッキが多く行われてきました。
カドミウム公害に対する規制が厳しくなり、錫に鉛が入った半田メッキは低融点であり、ウイスカーが出ない皮膜であり、機械的特性が優れている等の利点があり、90%錫-10%鉛の9.1半田メッキ、60%錫-40%鉛の6.4半田メッキがあり大いに活用されてきました。
しかしながら半田メッキも含まれる鉛が有害物質のため、ROHS指令(電気電子部品に含まれる特定有害物質の使用制限指令。
鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、ポリ臭化ビフェニール、ポリ臭化ジフェニールエーテル これらの物質が皮膜中に使用可能量以上含まれてはいけない。)
環境規制のため2006年頃から規制が始まり、日本でも半田メッキ代替の錫メッキの鉛フリー合金メッキが開発されました。
錫メッキ以外の錫系の合金メッキを錫ービスマスメッキ、錫ー銅メッキ、錫ー銀メッキの特性を下記にまとめましたのでご参照ください。
項目 | 錫ービスマスメッキ | 錫ー銅メッキ | 錫ー銀メッキ |
合金組成 |
錫95%-ビスマス5% |
錫98%ー銅1~2% | 錫96.5%ー銀3.5% |
融点 |
210~229℃ | 227℃~ | 221℃~ |
はんだ濡れ性 |
良好 | 可能 | 可能 |
ウイスカー |
良好 | 問題あり | 良好 |
リフロー性 |
良好 | 問題あり | 可能 |
実装強度 |
問題あり | 可能 | 良好 |
適用事例 |
半導体のリードフレーム | コネクタ部品 | 自動車部品の電子部品 |