素材とメッキの異種金属間腐食 メッキのQ&A コダマ
- Q銅に無電解ニッケルメッキをした板状のものをSUS304のネジで固定する場合、異種金属間腐食の心配はありますか。
- A
酸化還元電位の卑なものがプラス、貴なものがマイナスになり、局部電池として卑な金属が溶解して電子を出し、マイナス側が受け取ります。
プラスとマイナスだけでは電気は流れませんのでそれをつなぐ媒体が必要です。空気中の水分が考えられ、板とねじとの間に水分が入り媒体になります。
湿度の高い場所は注意が必要です。屋外で水滴がつくような場所、電解質を含む海岸近くなどは、進行がかなり早くなります。
無電解ニッケル板とSUSねじの場合、板(プラス)とねじ(マイナス)となります。金めっきは薄い場合(0.1μmなど)めっき被膜にピンホールがあるので、結露するような水分があると下地(多くはニッケル)が卑でプラスになり、腐食
します。数μmあるとピンホールはなくなるのではないでしょうか。湿度管理が必要で、結露するような場所では問題になる可能性があります。
対策として、両者を接触させない(そもそも電気を流さないようにする。非伝導性のものを間にかます)、電位をそろえる(板と同じくネジも無電解ニッケルめっきをして、電位差をなくす)、あえて卑なものをかます(亜鉛など犠牲的に)、などが考えられます。ご検討の程よろしくお願いします。