JIS H 0400 電気メッキに使用される用語(5)試験及び検査で使用されている用語の紹介
番号 | 用語 | 読み方 | 意味 |
501
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亜硫酸ガス試験 | ありゅうさんがすしけん | 湿性亜硫酸ガスを含む雰囲気中に試験を暴露して耐食性を調べる試験。 |
502 | ウイスカー | 単結晶の金属繊維成長物で、貯蔵中又は使用中、自然に生成し、若しくは、メッキ処理中に生成することがある。(スズメッキなどに生成しやすい。) | |
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503 | 渦電流式厚さ測定法 | うずでんりゅうしきあつさそくていほう | 装置と資料との間に渦電流を生じさせ、皮膜の厚さによって渦電流量が変化するのを測定して厚さを求める方法。 |
504 | 塩水噴霧試験 | えんすいふんむしけん | 食塩水の噴霧中に試料を暴露させ、耐食性を調べる試験。 |
505 | 押出し試験 | おしだししけん | メッキ層の背面から、押出し棒でメッキ層を破壊して、メッキの密着性を調べる試験。 |
506 | 外観試験 | がいかんしけん | メッキされた表面の欠陥の有無を目視によって調べる試験。 |
507 | キャス試験 | きゃすしけん | 塩化ナトリウム、酢酸及び塩化第二銅の混合溶液中の噴霧中に試料を暴露させ、耐食性を調べる試験。 |
508 | 曇り | くもり | 光沢メッキにおいて光沢の乏しいメッキ。メッキ条件が悪いか、浴に不純物が混入している場合に生じる。 光沢錫メッキなど |
509 | けいこうえっくすせんあつさそくていほう | 試料にX線を照射することにより、素地及び皮膜から特有な蛍光X線が放射される。この蛍光X線強度は測定することにより厚さを求める方法。 蛍光X線式膜厚測定器 | |
510 | 焦げ | こげ | 粗いメッキで主に過大な電流密度の場合に生じる。やけともいう。硬質クロムメッキで生じる場合が多い |
511 | こぶ状メッキ | こぶじょうめっき | 被メッキ物に生じる丸みをおびた突起物。 |
512 | コロードコート試験 | ころーどこーとしけん | 腐食性薬品を含んだペーストを試料に塗布し、一定の温度及び湿度に維持して耐食性を調べる試験。 |
513 | 酢酸塩水噴霧試験 | さくさんえんすいふんむしけん | 塩化ナトリウムと酢酸の混合溶液の噴霧中に試料を暴露させ、耐食性を調べる試験。 |
514 | ざらつき | メッキ浴中の固体浮遊物がメッキ層の中に入り込んで生じた小突起。 | |
515 | しみ | しみこんだ汚れをいう。腐食試験においては、腐食生成物による表面上の汚れ。メッキ不良で1番発生する不良のひとつ。 | |
516 | 樹枝状メッキ | じゅしじょうめっき | 被めっき物に生ずる枝状又は不規則な突起物。 |
517 | 磁力式厚さ測定法 | じりょくしきあつさそくていほう | 磁力が磁性素地金属上の非磁性皮膜厚さにより変化するのを測定して厚さを求める方法。 |
518 | 水素ぜい性 | すいそぜいせい | 前処理及びめっき操作の過程で、被メッキ物が水素を吸蔵してもろくなる現象。 |
519 | 多孔率 | たこうりつ | ポーラスクロムメッキ面の任意の面積内において、溝またはあなの占める面積の割合を百分率で表したもの。 |
520 | 滴下法 | てきかほう | 腐食性溶液をめっき面に滴下し、めっき層を溶かした時間からめっきの厚さを求める試験。 |
521 | 電解式厚さ測定法 | でんかいしきあつさそくていほう | 特定の電解液を使用して、メッキ面を陽極として電解し、メッキ層を溶解解除するのに必要な時間から厚さを求める試験。 |
522 | 乳白メッキ | にゅうはくめっき | クロムメッキの場合に、電流密度が低すぎるか、またはめっき浴の温度が高すぎる場合に生ずる光沢の乏しいめっき。 |
523 | はく離 | はくり | メッキ層が素地又は下地からはがれること。 |
524 | ひきはがし試験 | ひきはがししけん | メッキ皮膜の一定幅を垂直にはがして素地との密着力を求める試験。 |
525 | ピット | メッキ面に生成される巨視的な穴。 | |
526 | ヒートサイクルテスト | 試料を指定された2種類以上の温度に常温を介して交互に維持し、メッキの密着性を調べる試験。 | |
527 | ひび割れ | ひびわれ | 腐食試験において、自然に発生した細かい網状模様の割れ。 |
528 | ピンホール | 素地や下地層まで達するメッキの細孔。 | |
529 | フェロキシル試験 | ふぇろきしるしけん | 試験紙をフェロシアン化カリウム、フェリシアン化カリウム及び塩化ナトリウムの混合溶液に浸し、メッキ面にはり付けて、メッキのピンホールを調べる試験。 |
530 | ふくれ | メッキ層の一部が素地や下地層と密着しながら浮いている状態。 | |
531 | β線式厚さ測定法 | べーたせんしきあつさそくていほう | 試験にβ線を照射し、後方錯乱するβ線強度が膜厚さにより変化するのを測定して厚さを求める方法。 |
532 | 変色 | へんしょく | 環境などにより、メッキ面が本来の色調を失う現象。 |
533 | 星状腐食 | ほしじょうふしょく | 腐食試験などで発生した星状の腐食欠陥。 |
534 | 曲げ試験 | まげしけん | 被メッキ物を折り曲げて、メッキの密着性を調べる試験。 |
535 | 水切れ | みずきれ | 表面が汚れているために、水皮膜が不連続に現れる現象。 |
536 | 密着性 | みっちゃくせい | メッキ層が下地に付着している力の強さ。 |
537 | 無めっき | むめっき | メッキが付いていない状態。低電流密度部分などに生じやすい。 |
538 | めっき有効面 | めっきゆうこうめん | メッキ表面のうち、用途の上で重要な表面をいう。例えば、裏面など、特に重要でない部分を除外する。 |
539 | レイティングナンバ | 腐食面積と有効面積との割合によって腐食の程度を示す試験。10~0に区分されている。塩水噴霧試験を実施した製品の評価で使用することが多い。 | |
540 | 割れ | われ | 皮膜表面で無秩序、無方向に割れること。 |