先日、全鍍連の女性経営者部会のメンバーで2泊3日のタイ視察に参加させて頂きました。タイは通年暑いそうなのですが、この時も35℃もありました。今回の視察は太洋工作所様のメッキ工場の視察と薬品メーカー 奥野製薬工業様の工場見学でした。
太洋工作所様は樹脂成型から塗装、また樹脂成型からのめっき工程というように、一貫生産をされており、主に自動車部品を多く受注生産されておりました。海外で生産を行う上で、ご苦労を聞かせて頂きました。①タイの従業員は、完全に契約社会なので、雇用の時に交わした仕事以外はやらない。②2011年大洪水があったように、雨季になると道路が水浸するので交通がマヒする。③現地従業員や業者の人材難 特に設備のメンテナンスが出来る人材・メッキ用の治具の作製が出来る業者がいない。等の悩みがあり解決には日本からのサポートが必要だそうです。
素晴らしいと感じた点は、工場内はいたるところに改善活動の痕跡があり、毎月提出される改善のビフォーアフターの写真やレポート等に非常に驚きました。材料の先入れ先出しの棚、台車で壁を傷つけないためのレールの設置など、大きな改善から小さな事まで溢れていました。契約した範疇の仕事しかしない様な話だったので、社長に「なぜ毎月提案が、全員から出されるのですか?」とお聞きすると、「優秀な子は日本の本社研修に行かせて、日本の品質意識を身につけてもらい幹部にしたのが大きいと思います」とおっしゃっていました。
お話しさせてもらったタイの女性管理職の人は、2年間、日本で研修を受けて戻ってきたそうです。本当に素晴らしいと思いました。当社のみならず、どの会社でも「改善活動」を推進しても継続が出来ず、いつの間にか止まってしまっているのが多いのではないでしょうか?今回、太洋工作所様のタイ工場を見学して、重要なのは「人材育成」特に「中間管理職の養成」だと感じました。日本の本社でも、長年にわたって「5S活動」「改善提案活動」「人材教育」を徹底して行われています。その企業風土があるからこそ、色々な課題のある海外でも成功されているのだと思いました。コダマも「継続は力なり!」をモットーとして歩みを止めないよう頑張って参りたいと思います.